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Quartz (1977年)
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Quartz
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解説 - Quartz
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. 夢想家・I ★★ (2011-10-28 17:25:25)

英国バーミンガム出身、'77年発表の1stアルバムです。
BLACK SABBATHのツアーに同行した際にトニー・アイオミ氏が彼等をいたく気に入り、自らプロデュースを買って出たらしいですが (2曲目 "Sugar Rain" ではフルートも吹いている)、いかにもな感じなのはへヴィなリフが印象的な1曲目の "Mainline Riders" 位で全体的には垢抜けないB級ハードロックという印象です。
飛び抜けた特長は特に無い代わりにこれと言って致命的な欠点も無く総じて平均的、あえて気になる点と言えば少々非力な感じを受けるヴォーカル位です。
ただ、フォーク、トラッドやプログレ風味をそれとなく盛り込んだアレンジのネタは結構豊富で、サビのメロディーが意外にもキャッチーな曲が多くブリティッシュならではの枯れた味わいを満喫できる通好みの作品と言えると思います。




2. 失恋船長 ★★★ (2021-07-06 14:36:23)

悪名高きJETレコードと契約、そしてデビュー作を作り上げるのですが、その際にバンド名をBandy Legsから改名。サバスのアイオミが自らプロデュースを買って出たのだから英国ロックファンにとっては実に興味をくすぐるバンドでしょうね。キーボードにジェフ・ニコルズがいると言うのも今となってはポイント高しです。
アイオミがいるのだから暗黒系を期待するのでしょうが、このバンドは、そことはポイントをずらし豊かな音楽性をバックボーンにしつつも、暗く湿った英国テイストを全面に出し切り自分たちのカラーを投影、先人達のアイデアも嫌味なく打ち出し派手さや勢いでは誤魔化せない奥行きのある世界観を演出している。

ポップなエッセンスも出ているが、どこか混沌とした空気が漂い、ギター、ドラム、ベース、キーボードとそれぞれが持ち味を発揮し絶妙な絡みを見せる事で自分たちの音を構築。影響を受けたであろうアーティストのアイデアも上手くスベリこましている点も秀逸。陰気な英国ロックの血脈を守るべく自己主張するバンドサウンドは、今の時代逆に新鮮に映るでしょうね。プロデュースを買って出たトニー・アイオミを鼻高々だろうし、ミキシングに名を連ねるロビン・ブラック、クリス・タンガリーディスも高い意識をもって取り込んだと言えよう。

サイケでジャズでプログレッシブなアイデアをハードテイストで塗り固めたバラエティ豊かな音楽性、1stとしては完成度の高さも相まって実に味わい深いものとなっている。全ては表現する術を知っている演者の腕によるもの、相反するアイデアを包括したサウンドは時代を超越して支持されるでしょう。

フレッシュ感よりも円熟味、哀愁と濁りにメリハリを付け冷徹に響く音の中で有機的なプレイが効果的に機能、ハードでヘヴィな音像の中に息遣いを感じさせている。ブルース系のシャッフルビートからジャジーなグルーブまで生み出すリズムプレイ、サバスティカルとは言わないがアイオミの影響も感じさせる悲哀、ギターは見事に表情をつけ、キーボードはイマジネーションを増幅させる。エモーションを込めた素朴な声も、多彩な音楽性を秘めたバンドサウンドにピッタリだったと言えよう。聴けば聴くほど染み入る70年代ロックの旨味、アートロックにも通ずる奥深さに改めて刺激を受けますね。




3. 石川豊久 ★★★ (2022-05-19 09:19:33)

記憶が定かではないですが、このオリジナル盤、ジャケットがハトロン紙みたいな紙袋に入ってたような気がしますが、どなたか憶えてらっしゃいますか?
それにしても、さすがブリティッシュ。哀愁のメロディーあり、色んなことやっちゃう気構えはいいんですが、芋っぽさが漂います(これがB級感ってやつ)。それがいいところでもあり、致命的なところでもあり。
でも、やっぱり、ヘビメタの名盤なんじゃないでしょうか。



4. 火薬バカ一代 ★★★ (2025-05-01 00:31:10)

様式美BLACK SABBATHを支えた陰の功労者、故ジェフ・ニコルズ(Key)が在籍していことでも大事なバンドQUARTZが、BLACK SABBATHのトニー・アイオミにプロデュースを依頼し(結構ノリノリでアルバム作りに協力してくれたらしい)'77年に発表した『クォーツ・デビュー』なる新作腕時計の宣伝文句みたいな邦題が冠された1stアルバム。
彼らに関しては2nd『STAND UP AND FIGHT』(’81年)でその存在を知ったこともあり、てっきりNWOBHM集団に属するバンドだと思っていましたが、実際は結成時期が60年代まで遡る超ベテラン。なので本作に託されているサウンドにヘヴィ・メタリックな切れ味や疾走感は然程でもなく、寧ろ全体をベールのように被う薄暗さやシケシケ感等、兄貴分のBLACK SABBATHに薫陶を受けた70年代HRテイストが色濃く滲む仕上がりとなっています。一方で単なるサバス・フォロワーの地位に甘んじてはおらず、燻し銀のVoが歌う、愁いを湛えたメロディを携えて重厚に展開されるOPナンバー①なんて“HEAVEN AND HELL”を先取りしてしまったかのような名曲ぶりですし、後に続くKey/フルート/アコギを有用した、ちょいプログレ風味も入ったアレンジが初期MAGNUMを思わす②も最高。キャッチーなブギー③、ポップな序盤からシリアスに熱量を増していく④、ファズの効いたGが暴れ回るヘヴィな⑤…と続いた時点で、個人的には本作の完成度を確信するには十分過ぎるぐらいでしたよ。
新人バンドのフレッシュさとは無縁かもしらねど、代わりにこれがデビュー作とは思えぬベテランばりの貫禄と風格に痺れる一作です。(というか実際既に10年選手なんですけども)



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